おりものは、子宮や膣内を清潔に保ち、菌の繁殖を防ぐために分泌される粘りのある液体です。思春期以降では自然な生理現象ですが、小さなお子さまではおりものはほとんど見られません。しかし、量や色に変化があった場合は注意が必要です。


おりものは、子宮や膣内を清潔に保ち、菌の繁殖を防ぐために分泌される粘りのある液体です。思春期以降では自然な生理現象ですが、小さなお子さまではおりものはほとんど見られません。しかし、量や色に変化があった場合は注意が必要です。
おりものの量が増えた、色や臭いに変化がある場合は外陰膣炎の可能性があります。
心配のないおりものは通常透明でにおいもありません。黄色や緑色の濁ったおりものになったり、においが強くなったりします。また、おりものに血が混じることもあります。こうした変化は、炎症や感染によるものですので早めに小児科を受診しましょう。
外陰膣炎は、子どもの外陰部と膣の粘膜に炎症が起きている状態です。
特に幼児や小学生の女の子に多く見られ、かゆみや不快感を訴えることがあります。感染や刺激によって起こることが多く、適切なケアと早めの受診により、ほとんどの場合、良くなります。
外陰膣炎の原因はいくつかありますが、主には感染症と刺激によるものです。
細菌感染:菌の繁殖によって炎症がおきます。
真菌感染:カンジダというカビの一種が原因で、かゆみや腫れを引き起こします。
洗剤やシャンプー、入浴剤が肌に合わず刺激となる場合があります。
香料や防腐剤入りのウェットティッシュやおむつも注意が必要です。
外陰膣炎は、次のような症状がみられます。
次のような症状がある場合は、早めに小児科を受診しましょう。
感染症が原因の場合は、抗菌薬や抗真菌薬など原因菌に応じた薬を処方します。
抗炎症や殺菌作用のある軟膏を処方された場合は、指定された通りに塗りましょう。
入浴の際はぬるま湯や刺激のないボディーソープを使い、外陰部を清潔に保つことが大切です。
外陰膣炎の予防と治療には、ご家庭でのケアも非常に重要です。
熱いお湯やゴシゴシ洗いは刺激になります。
ぬるま湯で、刺激のないボディーソープをよく泡立てて外陰部をやさしく洗いましょう。
蒸れも刺激になります。
通気性の良い衣類や下着にし、濡れた衣服やおむつを長時間放置しないようにしましょう。
うんちの後に後ろから前に拭くとうんちの中にある菌が膣内に入ってしまいます。
前から後ろに拭き、菌の拡散を防ぎましょう。
お子さまの外陰膣炎は、早期の治療と家庭でのケアで多くの場合は改善します。
おりものの変化に気づいたら、迷わず小児科へ相談してください。かゆみや痛み、異常なおりものを放置すると感染が広がる可能性もあります。早期治療のために早めの受診をおすすめします。
